landscape network 901
INAX出版、2002年3月20日、433ページ
ISBN=9784872751079
[論考]
生活を記譜する GeoWalkerとは、歩行運動を移動とリズムに抽象化した日常生活の記譜システムである。言ってみれば、生活が生み出す、絵日記であり、ドキュメンタリーであり、抽象音楽でもある。GeoWalkerを利用するためには、位置座標(緯度・経度)、標高、方位、歩数が時刻とともに記録できる装置が必要になる。一般には、...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.139-141
[論考]
広い意味で捉えるならば、ある変換の仕方に基づいた何らかの「記述」はすべて「ノーテーション」と呼びうる。ここでは、都市の「地面(グラウンド)」と、その上にある私たちの身体の振る舞いのありかたに注目したいくつかの「ノート」を紹介する。街の「移動」を捉えた動画をピクセルに分解して時系列に積分した画像、無線LANを利用した位置...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.136-139
[キーワード]
巨大な物体 「景観」が「問題」となるとき、しばしばその議論の的となるものに、都市基盤工学的構築物──インフラの「様子」がある。近年、日本の都市の景観問題の象徴のように持ち出される、日本橋川の上空を通る首都高をはじめとする「道路」や「橋梁」はその典型である。あるいは、「親水性」や「川辺の景観」を「損ねている」防波堤や都市...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.140-141
[『日本の民家』再訪 4]
「郊外町の生成の模型図」 『日本の民家』の前半の、いわば理論編のなかに、「郊外町の生成」と題された、都市化のプロセスが民家に及ぼす影響を論じた章がある。ここに、「郊外町の生成過程の模型図」と記された、街道沿いに市街化しつつある農村を連続的に描いた、有名なダイアグラムが掲げられている[図1]。 ダイアグラムは四つの断面図...
『10+1』 No.46 (特集=宇宙建築、あるいはArchitectural Limits──極地建築を考える) | pp.13-26
[地上にて 1]
防災のデザイン 今年(二〇〇七)五月、六本木のAXISギャラリーにおいて、「Exit to Safety─デザインにできること」と題した展覧会が開催された。都市型大地震を想定した「防災」をデザインする、というテーマのもと、分野の異なるデザイナー七組が参加し、シェルターやシートとして使える衣服や、飲料水のペットボトルが格...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.206-214
[図鑑]
スキャンデータあり 未アップ ...
『10+1』 No.29 (新・東京の地誌学 都市を発見するために) | pp.85-100
[地上にて 3]
地形図──都市への考古学的接近 以前、本誌のNo.42で紹介したことがあるのだが、国土地理院が発行する「数値地図五メートルメッシュ標高データ」というものがある。航空機からのレーザー測量データをもとに、地上構築物や樹木などを除去した地表面の標高データで、現在、「埼玉県南部」「東京都区部」「名古屋」「京都・大阪」および「福...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.240-251
[地上にて 2]
「悪い景観」 いささか旧聞に属するし、ご存じの方も多いとは思うのだが、「美しい景観を創る会」というウェブサイトが話題を呼んだことがあった★一。サイトを開設・運営していた「美しい景観を創る会」は、伊藤滋・早稲田大学特命教授の呼びかけで作られた、建築や都市計画、土木などの専門家集団であり、一九九八年に策定された「二一世紀の...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.167-179
[キーワード]
正しい景観 「景観」は本来、単にある状態を指すところの、ニュートラルな言葉であって、必ずしもあらかじめ善し悪しの価値が含まれているわけではない。しかし、昨今、この言葉が実際に用いられるときには、例えば「健康」や「快適」といったような言葉に似たような、ある種の想定された「正しさ」、社会的な善の響きを帯びることが多い。景観...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.138-139
[街路への視座]
失われた街路の名 よく言われることだが、街路の名前がそのまま住所になっている欧米の都市地図は、基本的に「ストリート・マップ」である。多くの市販の地図には、すべての街路・道路の名前が記載され、欄外にはしばしば街路の名前の一覧があり、地図は「街路の関係を参照するインデックス」として使えるようになっている。一方、日本の都市地...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.86-88
[論考]
365dpi The project is an organized sampling of the world. There is a confluence within 49 miles (79 km) of you if you’re on the surface of Earth. (The Degree C...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.82-83
[論考]
ある土地に生えている植物群を総称して「植生」という。植生を構成している植物群落は、その土地の環境に応じて、それぞれ特有の出現比率や組み合わせのパターンを作ることが知られている。似たような立地条件のもとではほぼ同じようなパターンが発現するし、何らかの条件が大きく変化すればそれにつれて植生も変化を見せる。植生は環境条件を強...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.78-81
[論考]
都市に向かうとき、私たちは二重の風景を見ている。ひとつは、私たちが実際にそこで体験する空間であり、もうひとつは都市を俯瞰する「仮想の風景」である。 私たちのなかで都市の印象を形作っているのは、実際に目にする街の光景や物音、匂いや温度や足に感じる舗装の固さなど、様々に具体的な物事の連なりである。「都市の風景」として私たち...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.54-57
[論考]
1──東京都区部の地形段彩図。標高5m以上を黄色系で描画 出典=国土地理院「数値地図5mメッシュ(標高)東京都区部」国土地理院が発行している「数値地図5mメッシュ標高データ」というものがある。航空機を使った緻密な測量データをもとに、地上構築物や樹木などを除去した「地表面データ」として作成されたものだ。数値は〇・一メート...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.86-90
[インタヴュー]
石川初──「Living World」★一の活動や作品には、僕らが「グラウンディング」と呼んでいるような視点に共通するものを感じますし、啓発されています。今回は、あらためてその「テーマ」をお聞きしたいと思いました。去年(二〇〇五)の夏に、「窓」というタイトルで個展をされました★二。 1──LW with 下村義弘(SD...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.98-99
[街路への視座]
街路と道路 東京の湾岸線はどこも、江戸時代から続く埋め立ての歴史が年輪のように、街の形に刻み込まれている。この年輪を横断するように歩くと、それぞれの時代の街や路の規模の変遷(の残滓)を追って見ることができる。 品川区の東品川から八潮にかけてのあたりは、もともと丘陵地と海岸が近く接する細長い地形のうえに、東京から横浜方面...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.79-81
[フィールドワーク]
「都市は自然である」と考えるようになった。そして逆説的だが少なくとも日本では「自然は人為による」と実感するようになった。ランドスケープ・デザインというデザイン領域は未成熟なまま21世紀を迎えたかもしれないがむしろ、自称ランドスケープ・デザイナー(時に景観デザイナーともいい、他にも類義語がある)という多様な職能が多様な仕...
『10+1』 No.24 (フィールドワーク/歩行と視線) | pp.109-121
[資料]
●関連図書 宮脇昭『植物と人間──生物社会のバランス』NHKブックス、1970 貝塚爽平『東京の自然史』紀伊國屋書店、1976 ロラン・バルト『エッフェル塔』(宗左近+諸田和治訳)審美社、1979 槇文彦『見えがくれする都市』鹿島出版会、1980 坂誥秀一『日本の古代遺跡(32)東京23区』保育社、1987 貝塚爽平『...
[座談会]
都市を眺め直す「グラウンディング」の視点 石川初──去年の一一月に編集部からお話を頂いた当初、この特集の企画は「テクノロジーによる風景の変容」というような趣旨のものでした。それに対して僕や田中浩也さんのほうから、最近僕らが関心を持っていること、GPSやデジタル地図をツールとして使いながら都市の地面を再発見する、そういう...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.42-53