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先行デザイン宣言 | 第一回先行デザイン会議参加者一同
Declaration of Pre-Existing Design | All Participants of Pre-Existing Design Summit
掲載『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法, 2004年12月発行) pp.65-65

まだ見ぬ参加者たちへ

先行デザイン会議開催のお知らせ

世界の混迷はますます深まるばかりです。このような世の中においてもなお信じるに足るべきものがあることは、幸いです。それはすでにできてしまった〈先行物〉の存在です。計画道路を曲げる古墳、タウンプランニングを左右する条里制、これらはいずれも優秀な先行物です。
このたびそのような先行物が多く存在する近畿圏にて、これらのモノモノとより深くつき合うデザイン手法を構築しようと、2つの組織「都市連鎖研究体」と「環境ノイズエレメント」とがデザイン会議を行なうことになりました。きわめて具体的な場所を扱っていますが、すべてに普遍的な問いが潜んでいます。どうぞよろしくご検討のうえ、ご参加賜りますようお願い申し上げます。

先行デザイン宣言

未来は見えない
けれど
過去は見える

デザインとは この歴史の非対称性を引き受けることだ

線はすでに引かれている
差しもどせ デザインを
振りだせ 物を

わけ知り顔にたたずむ 物たち
無言の 先住民たち
今 君たちを見つけだす
何万年もだまされ続けてきたけれど

物を生み出したのは 物だ
先行するのは 物 その形態
すべての理由わけは形態が知っている

機能は 形態を持たない
形態にこそ 問いと答えがあるからだ
ゆえに 機能は形態に従う

形態は時間に方向を与え
つまり未来と過去の順番を定める

わたしたちは
それを手にする方法を「先行デザイン」と名づけ
その開発と展開に 世界への希望を託す

2004年11月11日
第1回先行デザイン会議参加者一同